ハンドピース(歯を削る機械)等の機器の滅菌の必要性


ハンドピース等は使用時「逆流」が起きている

 2017年の厚生労働省研究班の調査によると、全国の歯科医療機関の半数近くが、ハンドピース等を患者毎に交換せずに使い回している可能性がある事がわかりました。少し古い調査ですが、平成23年の「患者毎にハンドピースを交換している歯科医院」という調査では27.6%が交換(滅菌)しているという結果になりました。こうした機器の滅菌の現状について、最近はメディアでもよく取り上げられており社会的な認知度も上がってきております。

 なぜハンドピースの滅菌の必要性が取り上げられるのかというと、処置時に本体に血液等が付着するのはもちろんの事、機器の特性上、機器内に患者様の唾液・血液などが「逆流」してしまうため、感染の危険があるためです。日本では法律上ハンドピースの滅菌は要求されていませんが、アメリカでは各州ごとに滅菌・消毒が義務づけられています。

 

 

患者様ごとに交換

ハンドピース使用後はユニット(患者様の座る椅子)から全て取り外し、洗浄・オイル注油を行い紙パック(滅菌パック)に入れて滅菌を行います。使用したバー(機器に取り付ける切削具)も超音波洗浄にかけ、滅菌します。


オートクレーブで滅菌

オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)132℃10分という高温の滅菌を行います。

滅菌後は患者様に使用する直前に紙パック(滅菌パック)から取り出し、使用いたします。


3Wayは使い捨て(ディスポーザブル)

ハンドピースより良く使用される3Way。口の中に風をかけたり、水をかけたりする機器です。歯科医師だけではなく、歯科衛生士も使用します。こちらは患者様ごとに使い捨て(ディスポーザブル)を使用しております。