正しい洗浄が行われなければ、滅菌は不完全な物になる。


「この器具は滅菌されています。」と聞くと、滅菌してあるから大丈夫だと考えがちです。しかし、滅菌前の洗浄はとても重要な行程なのです。感染予防の為に、消毒・滅菌に目が行きがちですが、器具は確実な洗浄を行うことで99%の物理的な除菌が可能であると言われています。したがって、使用後の速やかな洗浄はとても重要なのです。

逆に、汚れが固着してしまったり、不完全な洗浄によってタンパク質が残留すると、その中には沢山の微生物が残存していることになります。それが、消毒・滅菌を不完全なものにしてしまうのです。

以上の事から、洗浄をせずに消毒することは汚れを固着させてしまい、そのまま滅菌することも、意味のないものとなってしまいます。


洗浄行程

血液の付着などには洗浄に入る前に、血液分解洗剤を用いて、分解を行ってから、十分に洗浄作業を行います。

超音波洗浄・浸漬洗浄を行い、目に見えないタンパク質汚れを除去します。

その後、十分に洗い流しオートクレーブ(高圧蒸気滅菌)で滅菌します。